幽霊の正体見たり枯れ尾花

お天気のよい日には毎朝1時間くらい散歩しているのですが、今朝道を歩いている時、後方で犬が唸り吠え付くような音が聞こえたので、とっさに「犬が後ろから自分に吠えついている」という思考に乗っ取られて身体が瞬時に堅くなった。



恐怖と共に後ろを振り向くと、なんのことはない。それはただ部活動のため登校してきた中学生の靴が溝の上に置かれた鉄板をこすった音だった。Σ(・□・;)



「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という格言的な俳句があるが、私たちが現実と思っているのはまさしくこのように思考によって創造されたものであって、真実からはかけ離れている。



ラマナ・マハルシは、そのことを蛇と縄の喩えで説明しています。



「蛇だ蛇だと怖がっている現実は、実は縄のようなものにすぎず恐れる必要などない。」というようなことかと思うのですが、私のつたない体験も全く同様でただただ笑えるだけなのです。



真実はただ音が一瞬聞こえたというにすぎず、その音が過ぎ去った後で思考で「犬が吠え付いている」とかなんとかありもしないものを後の祭りの妄想として創り上げているのです。



真実は思考の前にただあるだけなのです。



伊東Dr.も言われていたように、「ただある」の後の祭りとしての思考が起こった後行為が起こり、さらにその後私が登場してくるのです。



言葉で「私が…をした」というようにです。



真実は言葉を全てなくして残った名前もなにもない「ただある」だけなのです。