風さわやかな五月に捧げる詩

紙飛行機

五月の風がさわやかに吹き渡る
とある午後
高台に建つ校舎の窓から
一人の少女が
少年への思いをこめた紙飛行機を飛ばした
紙飛行機はひたすら海に向かって飛んでいった
少女と少年の間には何もない
何もないところを飛んでいる紙飛行機
紙飛行機は少女
ああ
もう
何もないのですから
届くよりほかにない
こんなに空が青い日は